民間英雄伝〜千里馬の神童〜
 
 
金正日(김정일/キムジョンイル)書記が金日成(김일성/キムイルソン)将軍の後を継ぎ、世紀の偉人民族の領袖となるように祈った同胞たちは、彼の誕生とともに数多くの英雄伝説をつくりだした。



白頭山の空に新しい将帥星が輝いたが、その星はどうして輝いたか。

季節は二月、冬の雷は鳴り谷間には霜が凍りついているのに、白頭山の空に炎のような太陽が昇って日の出岩をこえ、将帥峰(現:正日峰)のふもとを照らした。すると雷鳴はすぐに止み、霧が晴れ、小白水から虹が立って中天にかかった。そして龍馬岩が天馬に化けて谷間に降りてくると、鎧かぶとの少年将帥が天馬にまたがり拍車をかけて、虹を伝って天に昇っていった

その晩明るい将軍星がきらめき、そのそばに月が輝くと、その間に光明星という幼い将帥星が生まれた。

これは5千年の歴史のなかで、白頭山将帥星につぐ二度目の大運星だという。



白頭山麓の鳳水村でこのような話が語られていたとき、周易に詳しい康学魯(カンハクロ)老人は自分なりに運勢を占ってみたという。

「西紀1942年は檀紀(朝鮮暦)4275年。六甲(干支)では壬午年だ。これは午年だが、この馬は普通ではない。檀君が天降って古朝鮮を建てた太白聖山の馬は天馬であり、その午年に生まれた聖君は檀君以来の天子になり未来の朝鮮はその方の聖徳で大成するはずだ。
その方は朝鮮をそっくり千里馬に乗せ、疾風のように駆けて人類理想の天国に行くはずであり、これほど大きな大通運がまたとあろうか」



この国の山や渓谷に数多く刻まれた碑文にも、口から口へと伝えられた伝説にも、民族自主偉業の偉大な開拓者を戴く幸運と、その後継者に対する期待と希望がみちあふれていた。

そして同胞たちの希望と祈願は決して夢ではなく、民族の同胞の願望の中で成長した少年金正日書記は、幼くして非常に聡明な思考力と大人びた行動を見せ、人々から神童と呼ばれたのであった。

 
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