悪魔の辞典
The Devil's Dictionary
「異常ありません」
プログラムにおいて、この命題は必ず偽である。
したがって、この言葉を用いる人間は、総じて嘘つきということになる。
回収騒ぎ
発売後に発見された製品の不具合が、
放置しておくと回収するよりも損害が大きくなる、と
見なされた場合にのみ
メーカーが取る措置。
改造
ソフトウェア・ハードウェアいずれの場合も、何らかの形で手を加えることにより、
改造を行った者にとって便利な形で使用できるようにすること。
メーカーはこれを禁じていることが多い。
理由は表面上、技術的な機密保持やサポート体制への負担の防止ということになっているが、じつは
「ちょっと手を加えただけでパフォーマンスを圧倒的に改善できることに気付かなかった」
というレベルの技術力不足が暴露されるのを防ぐためである。
技術者
一般に、高度な技術力と低レベルな思考力を持つと言われる人々。
それってバクテリア?
サポート
機器使用の際に発生する不具合や故障に対する、メーカーの対応体制。
メーカーの言い訳を聞くことが出来る、ありがたい電話窓口。
サポートを受けられる電話ではない
。
ジャンク
とくにハードウェアについて、中古や保証のない状態で店頭に
陳列・販売されているものの総称を指す。
説明書などが添付されていなかったり、すでに倒産したメーカーの製品であるため、
資料などを入手できない場合が多い。
素人は手を出さないほうが賢明。
仕様
プログラムの動作において、バグがあることがわかっていながら、
出荷時に至ってもそのままの状態であるもの。某N社で
「仕様書に想定されておらず」、「ゲーム進行に支障がない」場合、
バグを3つまで仕様とみなす
と社内規定で決められていたことは有名。
初期ロット
最初に生産ラインを通過した製品。
「不具合があります」の意
。
事実を知らない人と、なにごとにもくじけないチャレンジ精神の持ち主だけが、
購入することを許される。
「そのような事実は確認していません」
「そういうことがあるのはとっくにわかっているけれど、
どうやって解決してよいのかわからないから、みなかったことにしておこう」、
または「解決するのが面倒だから、そのままにしておこう」、
または「解決するコストが捻出できない(したくない)」との内部決定があったことを、
外部に向けて発表する際の慣用表現。
バグ
仕様の呼称の1つ。
プログラムユーザが用いる。
→
仕様
プログラマ
この有史以来最悪ともいえる不景気の中で、唯一求人の多い職種。
その理由は、たんにきちんと仕事ができるプログラマが
100人に1人もいない
から。
暴走
CPUとプログラムのシンクロ率が低下した際に発生する。
ラッパをやかましく鳴らしたり、築き上げた環境を破壊することもあり、
まさに最後の審判における終末への序奏ともいえる。
無事に復旧できるかは、すべて日頃の行いにかかっている。
保証期間
通常は1年間である。が、
何を保証してくれるのか
は、神のみぞ知るところ。
ゲームラボ '98 4月号より
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