オルメカ文明の発祥は3200年前


オルメカ文明は3200年前頃、メキシコ湾岸のベラクレス、タバスコ両州の湿潤な沼沢地帯に興りました。戦いと征服を通じて勢力を広げ、南東はマヤ族の地域、西はサポテカ族のモンテアルバンにまで及びました。そしてついには中央メキシコ全域に広がり、彼らの文化遺産は後にテオティワカンなどを建設した民族に引き継がれました。その考古学的な研究は、まだ始まったばかりです。













現代人の度肝をぬく造型感覚

タバスコ州のラベンタからは、オルメカ文明の最盛期である紀元前800年〜500年頃のものとされる遺構が出土しています。小規模な階段ピラミッドや、アメリカ大陸最古の球技場跡、そして墳墓群が見つかっています。
オルメカ文明を特徴づけるのは何といっても人物像で、その造形感覚はわれわれ現代人の度肝を抜くものばかりです。たとえば、上の赤ん坊像。なぜかオルメカ人は、赤ん坊の像(それも泣いているのが多い)を好んで作りました。右側は女性像ですが、切れあがった目、分厚い唇が特徴です。




左側の何か(おそらく雨の神)を捧げ持つ男性像も、先の女性像とまったく同じ特徴を備えています。右側の奇怪な像は、ジャガーと人間の半人半獣像であって、ジャガーはオルメカの主神です。この像はグァテマラで発掘されたもので、オルメカ文化がいかに広く浸透していたかがわかります。


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