Goods Column, 24


USJのブルース・ブラザース

The Blues Brothers
先日の10月の三連休、家族で大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に行ってきた。大阪に着いた初日、USJに隣接するショッピング・センター(ユニバーサル・シティウォーク)をブラブラしていたときのこと。なにげなく入ったショップの奥のほうに古いおもちゃが展示してあり、なんとそこに何十体ものバディ・リーが並んでいるではないか。それも最近の復刻版ではなく、オリジナルのものばかり。すっかり興奮して、ショップのお兄さんと話もはずみ(注1)、手ぶらでは帰れなくなったので、とりあえず目についたブルース・ブラザースのフィギュアつきキーチェーンを買った。そうしたらお兄さんが関西弁で「USJのブルース・ブラザースのショウもおもしろいから絶対観ていってください」と教えてくれた。でも翌日のUSJは、三連休の真ん中だけあってすごい混みよう。子供達のお目当てのアトラクションを回るので精一杯で、とてもショウを観る余裕はなかった。家庭持ちはツライんである(笑)。

映画ブルース・ブラザースの公開は1980年。私がこれを初めて観たのは、それからだいぶたってテレビ放送された吹き替え版だった。主役のジェイク(ジョン・ベルーシ)とエルウッド(ダン・エイクロイド)の声は、当時デビュー間もないバブルガム・ブラザーズ。それなりにハマっていたけれど、やっぱりちょっと違和感があった。しかも2時間の放送枠に無理やりカットされ、ところどころストーリーがつながらないという有様。でも、そんなことはお構いなしに、おもしろい作品だった。ジェイクとエルウッドのクールなスタイルと、なんともいえないおかしさ。そこまでやるかと呆れるほどのカー・アクション。そして、ジェイムス・ブラウンをはじめとする大物ミュージシャン達の圧倒的存在感。それこそ録画テープがすり切れるくらい、くり返し観た。やがてリリースされた待望のオリジナル音声&ノーカット版のビデオでまた感動を新たにし、その後はしばらく遠ざかっていたけれど、数年前にDVDが出たときは、もちろん買った(注2)。

The Blues Brothers
(c) UNIVERSAL STUDIOS.
USJから帰った後、そのDVDを久しぶりに再生してみる。これまでに何度も観たシーンでまた笑い、何度も聴いた曲が流れるとつい口ずさんでしまう。そしてジェイクとエルウッドが、かつてのバンド・メンバーをどうにか揃え、楽器を調達しに訪れた店の主人役=レイ・チャールズが登場したとき、そういえばレイも逝ってしまったんだっけと気づく。考えてみればキャブ・キャロウェイもすでになく、ベルーシなんて私がこの映画を初めて観たときからもう、この世にいなかった(注3)。でも、画面の中の彼らは、相変わらず最高のパフォーマンスで私を楽しませてくれる。エンディングの監獄ロック、観衆の囚人達が踊りだすのに合わせて、自分の体も動きはじめるのを止められない。ジェイクのシャウトする声がいつまでも耳に響く、、、。今度USJに行ったときは、なんとしてもショウを満喫したいと思っている。[2004/11/17]

注1: 実はそこはバディ・リーの有名なコレクターである藤井龍幸さんが代表をつとめるマイクカンパニーのショップで、展示してあるのは藤井さんのコレクションそのものであった。バディ・リーの復刻版(すごく出来がよい)もマイクカンパニーが手がけている。
注2: 何をかくそう、私が初めて買ったDVDソフトがこれである。
注3: 1982年3月5日、ジョン・ベルーシはドラッグであっけなく死んでしまった。まだ33歳だった。なお、キャブ・キャロウェイは1994年、レイ・チャールズは今年2004年の6月に死去。

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