eBay Pick-Ups, American Classic Cameras (Kodak)


■ Kodak 35
Kodak 35
アメリカ最大のフィルム・メーカーであるイーストマン・コダック社の35mmカメラといえばレチナが有名だけれど、それはドイツ・コダック製。ところが第2次世界大戦の勃発で、ドイツでのカメラの製造が不可能になり、アメリカ国内で35mmカメラを製造することが急務となった。そして1938年に発表されたのがこのコダック35で、コダックのアメリカ製としては初の35mmカメラ()となる。コダック35は、ベークライト樹脂製のボディに折畳式のファインダー(距離計なし)、シャッターも1/200秒までと、かなり簡単なものだった。レンズは Kodak Anastigmat 50mmで F5.6〜F3.5の数種類があり、それなりの描写をするらしい。画像の個体は F3.5レンズ搭載で、落札価格は $71.00。[2000/5/30]

注: 例外としてコダック・エクトラがあるけれど、こちらはレンジファインダー、フォーカルプレーン・シャッターの高級機。非常にレアで、eBayでもめったに出物がないけれど、先日 $2,500で落札されたケースがあった。


■ Kodak 35 RF
Kodak 35RF
上記のコダック35をレンジファインダー式に改良し、1940年に発表されたのがコダック35RFである。連動距離計があとからとってつけた感じで、なんとも無骨なデザインだけれど、操作性は意外によいらしい。なお、レンズやシャッターは初期のコダック35とほぼ同じ。(最終価格:$29.00) [2000/5/30]


■ Kodak Signet 35
Kodak Signet 35
コダック35の後継機として1951年に発表されたのが、このコダック・シグネット35。シンメトリックなボディデザインが特徴的で、私が大好きなカメラ。実は、画像の個体は以前に私が落札したもの。デザインもさることながら、シグネット35に搭載されている Kodak Ektar 44mm F3.5レンズは描写力に定評があり、アメリカ製のレンズの中で最も優秀ともいわれている。ただシャッターがいまいち弱く(アメリカ製全般にいえることだけれど)、私の買ったこれも5回に1回はシャッターが切れない状態で、せっかくの Ektarレンズの実力を試せないでいる。というわけで購入の際はくれぐれもご注意を。なお、シグネット35の eBayでの出物はかなり多く、相場は $50前後。もちろんコンディションや、ケースなど付属品の有無で変動します。[2000/5/30]


■ Kodak Signet 40
Kodak Signet 40Kodak Signet 40
シグネット40はシグネット35の後継機種で、1956年発表。デザイン的にはシグネット35のテイストを残しつつも、直線的なやや普通のフォルムになり、またフィルム巻き上げがレバー式になるなど、かなり現代的になった。ボディが樹脂製になったのも現代的だけれど、個人的にはちょっと安物っぽくなったようが気がする。二重像合致方式のレンジファインダーはシグネット35とほぼ共通、シャッターは1/400秒まで(シグネット35は1/300まで)となり、レンズも Ektanar 46mm F3.5 となった。しかし描写力ではシグネット35のEktarには劣るようだ。シグネット40も35と同じくらい出物は多いけれど、総じて値段は安め。画像の個体もフラッシュ・ユニット(ロータリー式でカッコイイ)つきの美品だけれど、落札価格は$30.33だった。[2000/5/30]


■ Kodak Signet 50
Kodak Signet 50
コダック・シグネットはシリーズ化され、シグネット35、40、50(30)、80と計5モデルが作られた。このシグネット50は40の後継として1957年に発表されたもの。35、40に比べて、レンジファインダーがなくなったかわりに露出計が搭載された。なおシグネット30は、50から露出計を省いたモデルで、見た目はほぼ同じもの。その50(30)の見た目は、決してスマートとはいえず、どうにも野暮ったい。かろうじてシグネットぽいと思えるのはレンズ横のシャッター・レリーズ・レバーくらいか。はっきりいって、個人的にはあまり興味がないモデルだ(笑)。相場も安く、画像の個体は箱入り、フラッシュ・ユニット付きで落札価格$22.50。[2000/5/30]


■ Kodak Signet 80
Kodak Signet 80
コダック・シグネット・シリーズの最後のモデルとなったシグネット80は、レンジファインダーと露出計を備え、さらにレンズ交換も可能という、シリーズ中もっとも豪華なモデルでもある。発表は1958年。ただしデザイン的には、シグネット50よりさらに野暮ったくなったと思う(笑)。機能的にはかなり高級といえるのに、プラスチック然として安っぽい見た目も残念。コダック・シグネット80は1962年頃に生産を中止し、シグネット・シリーズもそれで終焉を迎えた。画像の個体は Kodak Ektanar 50mm F2.8レンズ搭載、いろいろ付属品がついて、落札価格は$48.01だった。[2000/5/30]


■ Kodak MOTORMATIC 35
Kodak Motormatic
コダック初の半自動露出機能を備え、1959年に発表された35mmカメラが、このモーターマチック35である。セレン光電池による露出計に連動し、シャッタースピードに応じて絞りが自動的に変化する。また、スプリングによるフィルムの自動巻き上げ機能もついているけれど、おかげでサイズは W131 X H101 X D72(mm)、重量は745(g)と大きく重い。なおピントは目測、レンズは Ektanar 44mm F2.8がついている。(最終価格:$15.50) [2000/5/30]


■ Kodak PONY 135
Kodak PONY 135 コダック・ポニーは、1950年頃に発表されたコダックの入門モデルで、製造はカナダ・コダック。ベークライト樹脂のボディに、視野フレームなしの簡単なファインダー、レンズは Kodak Anaston 51mm F4.5の沈胴式、シャッターは Bと1/25〜1/200秒の4段階のみ。非常にシンプルなカメラだけれど、今見ると逆にその潔さが新鮮でよい。デザインもよく、樹脂成形の軍艦部のグレイがかった水色がノスタルジックな雰囲気。なお、画像のモデルはコダック135フィルム(つまり普通の35mmフィルム)を使用するポニー135で、その他にはバンタム判(28 X 40mm)であるコダック828フィルムを使うモデル828などがある。いずれも安く、eBayでもほとんど値がつかない状態のようで、画像の品も開始価格 $5.00で入札なしだった。[2000/5/30]


■ Kodak PONY II
Kodak PONY II
このポニーIIは1957年発表。初代ポニーに比べ、レンズが沈胴式でなく固定式のAnaster 44mm F3.9になり、シャッタースピードと絞りの独立した変更ができなくなり(露出は 9.5〜15までのライトバリューで設定する)、ますます簡素化された。外観上の変更点はというと、ファインダー周りがメッキのカバーで覆われてしまった。おかげで初代ポニーの味のある雰囲気がなくなってしまい、残念。ちなみに画像の品はフラッシュ・ユニットと革ケース付きで $3.99と激安だった。[2000/5/30]



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