Impression / インプレッション


BXの私的インプレッション。[1998/2/12]


エクステリア

ボディデザインはイタリアのカロッツェリア・ベルトーネによる。当時のチーフデザイナーはランボルギーニ・カウンタックをデザインしたことで有名なマルチェロ・ガンディーニ。彼は他にランチア・ストラトスやフィアットX1/9のデザインも手がけた人。そういえばBXはカウンタックやX1/9のカクカク・ペキペキした感じに似ている。それでそんな中にもシトロエン「らしさ」を感じるのは、ガンディーニのすごさだと思う。GS(A)〜CXと続いた、6ライトでリアのすぼまったノッチレス・スタイル、ヘッドライト上部がボンネットに食い込んだフロントマスク、細かいところではリアのホイールハウスカバー等、「らしさ」にあふれている。好き嫌いは別れるところだと思うけれど、私はBXのカタチが大好きです。19TRiはオリジナルのBXに比べると、ヘッドライト回りや、バンパー等が違うけれども、充分ガンディーニの仕事が感じられる。

BX Exterior


インテリア

エクステリアに比べ、19TRiのインテリアはガンディーニ・オリジナルとはずいぶん違うのが残念。オリジナルのインパネはボビンメーターやサテライトスイッチでとてもユニーク。それにくらべると19TRiのそれはずいぶんフツウになった。とはいえ、普通のが嫌いかといえば全然そんなことはない。よくいわれるフランス流の安っぽいプラスチック然とした感じは却ってセンスよく、ダイヤル式の空調つまみや、ウインカーレバーをステアリング軸方向に押して鳴らすホーンは、慣れると使いやすい。ちなみにホーンの音は「プーッ」という感じで(おそらくウナス)変に神経を逆なでしない心地よいもの。そしてこれは形もオリジナルのままのシートは、レカロ系のとは対極にある柔らかいものだけれど、これは最高。ほんとにシートは最高です。よく妻の実家へ行くたびに片道400kmくらいを一気に走るのだけれど、このシートとハイドロサスのおかげでほとんど腰が疲れない。ハイドロシトロエンはロングツアラーなんだな、と実感する。

BX InteriorBX Sheet
これが優れ物のシート。


エンジン

エンジンはプジョー製のロングセラーのいわゆる XU系。独特の「カラカラ」という乾いた音が好ましい。パフォーマンス的には、1900ccにしては最近のレベルに比べると明らかに劣る。何せ今時めずらしいシングルカム(それももちろん2バルブ)。特に0→100km/h加速とか、瞬発力はないと思う。しかしよくいわれる「息の長い加速感」は、本当にその通り。これが自分の性には合ってると思うし、非力とはいえ実はそんなに不満はない。...ただ高速道路の長い坂道で、いつも後ろからあおられるのだけは悔しい。

BX Engine


ハンドリング

BXの、というかシトロエンの特徴に、ホイールベースが長いことがあげられる。これだけでハンドリングはアンダー気味と想像がつくけれど、その通り。でも自分はタイトなコーナーを攻めたりしないので問題ない。そしてそのかわりに、直進性はほんとうに矢の如しだ。なおステアリングはパワーアシスト付きだけれど、はっきり言って重いと思う。走り出してしまえば、適度な重さは安心感があるとはいえ、車庫入れの切り返し時はけっこう大変。実は自分のBXの弱点はこのステアリングまわり。一度パワステのギアボックスがイッて痛い思いをしたことがある。詳しくは故障歴をご参照を。


サスペンション

BXといえば忘れてならないのがハイドロニューマチック・サスペンション。これだけでBXの存在意義があるとも言える。その独特の乗り心地は本当に他には変え難い。もちろん乗り心地は好き好きなので、それが最善とは言い切れない。ビシッと締め上げた足回りが好みの人にはもってのほかであろう。実際、高速コーナーではハイドロサスはものすごくロールするのでとても恐い(笑)。でも雪が積もったときなどは、車高を上から2番目にすれば結構ガンガン走れて頼もしい。他にハイドロにまつわる話では、駐車場が混んでいて、自分が出るのを他の車が待っているようなケースでは、「こっちは車高が上がりきるまで発進できないんだから急かさんでちょうだい」とか思う。

BX Hydro-Suspension


ブレーキ

BXは比較的軽量にもかかわらず4輪ディスクブレーキで、ハイドロサスのスタビリティもあいまって、なんかこうイザというときにも何とか止まれるような安心感がある。自分の19TRiについていえば、明らかにパワーにブレーキが勝っている。ハイドロ特有のストロークのないペダル操作も最初はとまどったものの、すぐに慣れてとても気に入った。今では逆に普通のブレーキに、とまどいというか、いわゆるスポンジーな感じを受けて少し不安。


トランスミッション

もともと楽チン指向の私は、当初からオートマチック(AT)希望だったのだけれど、それまでに運転したことのある国産AT車の、停車直前のスルスル感というか、エンブレの効かないところは結構気になっていた。ところがBXのATは、エンブレがばっちり効く。停車前にはシフトダウンもしてくれる。これはプリミティブな機構のAT(電子制御なしの単なるロックアップ)だからなのだろうか。シフトアップのタイミングにしても、エンジンの項でも述べたが「息の長い加速感」を演出する(要は各ギアを多めにひっぱる)セッティングがいい。一方3速の範囲が大きいためか、上り坂でのパワー不足や、50km/hあたりでのコモリ音は気になるところ。最近ではそういうときはマニュアルで2速に落としている。ちなみに私のBXは右ハンドルだけれど、ATのセレクターは左ハン仕様のままなのでセレクタの文字がレバーの陰で見えない(笑)。しかもシフトに節度がないほうなので、慣れるまでは不安だった。ちなみにセレクタの普通は'D'のところが'A'になっているが、これはフランス語の"Avant"=「前」の意味らしい。

AT Selecter
この通り、文字が見えない。


ユーティリティ

ハッチバックだけあってユーティリティはとてもいい。雑誌等でよくいわれることだけれど、スクエアな形の荷室は本当に使いやすい。一方横幅が少ないので、ゴルフバッグとかは斜めにしか入らない。私の19TRiはリアシートが分割しない一体可倒式だけれど、ダブルフォールディングするので、リアシートを畳むとかなり大きな物も運べる。引越しやちょっとした家具を買ったときは重宝する(2人掛けのソファーや、ベビーベッドとか、余裕で積めました)。こんなに便利なのにどうして日本では5ドアハッチバックって人気がないんだろう?

BX Utilities 1BX Utilities 2
側面にも物を置くスペースがある。


その他

その他では、開口面積が広くチルドもするサンルーフはとてもよい。エアコンはよく効くけれど、冬は足元に温風がほとんど来なくて寒い。そうそう、冬になると室内の小物入れの辺りからビビリ音がする(笑)。他には、ドアロックは「ズドビッ!」とものすごい音がする。いちいちキーで開ける給油口は面倒。排気ガスはくさい(触媒、大丈夫かな)。水温計がなくて夏は心配(警告灯はある。逆に水温が上がっていくのがメーターで見れると余計に心配になるから、という設計上の配慮?)。シングルアームワイパーはかっこいいけれど、ウォッシャー液がブレード近くから直に出るので最初は空拭きになってしまう。

...とまあ、こんなところです。なんだかんだで、自分にとっては世界一の車だなあと。


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